株式会社インテリム
おかげさまでインテリムは15周年を迎えました。

Accelerating Global Drug Development

インテリムの再生医療の取り組み

インテリムでは2015年12月から再生医療専門チームを編成、再生医療関連の製品開発における開発戦略立案、治験、申請業務を受託支援する本格的な開発サポート体制を整えてきました。

薬事規制対応や、承認取得の難しさなどが課題になる再生医療製品ですがインテリムには既に受託した案件から培ったノウハウの蓄積があります。

こうしたノウハウは更に開発ニーズに合わせカスタマイズされ、常にお客様の的確なサポートができるような取り組みがなされています。

チームからはじまった再生医療専門チームは、再生医療事業推進グループを経て新体制「再生医療開発部」として更にサポート領域を拡大。
「企画」においては事業企画と開発企画の両面からコンサルテーションサービスを提供し立案した戦略を実装するための実働部隊も組織するフルサポートが可能になりました。

また、今後の医療の発展を推進するため、インテリムでは「再生医療スペシャリスト」の育成プログラムの開発にも着手しています。
このプログラムは、サイエンス、レギュレーション、オペレーションの各領域をカバーする総合的なスペシャリストを育成するものです。

社内外を問わずこうした人財育成を通じても、「再生医療のインテリム」確立に取り組んでいます。

よくわかる再生医療

再生医療とは、生まれつき、あるいは疾病・不慮の事故・加齢に伴い、欠損・損傷・機能低下した組織や臓器を遺伝子、細胞、組織工学により補完する医療です。
広義には、臓器移植も再生医療に含まれますが、一般的には、患者の体外で製造した遺伝子、細胞、組織、臓器を移植することで、欠損・損傷・機能低下を補完する医療のことを言います。

再生医療等製品

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律において、再生医療等製品は、以下のように定義されています。

9 この法律で「再生医療等製品」とは、次に掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
一 次に掲げる医療又は獣医療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの

イ 人又は動物の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成
ロ 人又は動物の疾病の治療又は予防

二 人又は動物の疾病の治療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子を含有させたもの

この定義によると、遺伝子導入した免疫細胞によるがんの免疫療法などはこの製品区分に含まれますが、「再生医療」ではありませんので、法律では、再生医療「等」製品と呼ばれています。

日本における再生医療等製品の開発状況

世界的にも非常に多くの再生医療等製品が開発段階にあります。

以下の領域は市場が大きく、今後多くの製品の参入が予想されます。

  1. 死因の上位を占めるオンコロジー領域(腫瘍溶解性ウイルス、免疫療法等)
  2. これまで一度損傷すると再生しないと言われていた神経系(特に中枢神経系)
  3. 生命予後、四肢切断に直結する循環器系

また、人の感覚器の中で最も情報量が多く、障害によりQOLが著しく損なわれる眼科領域も期待が大きい領域です。

再生医療の開発の難しさ

①新しい医療技術であるため、技術の進歩に評価方法が追い付いていない

製品の特性に応じ、リスク・ベネフィットバランスを個別に考慮している状態であり、「これだけやれば大丈夫」というような標準的なパッケージがあるわけでも、標準的な試験方法が確立しているわけでもありません。

②新しい技術であるため、再生医療に関するリスクに対して、社会の理解が追い付いていない

再生医療等製品は「製品」と呼ばれますが、そのリスクは製品そのものに留まらず、移植手技に伴うリスク、併用治療(免疫抑制剤等)に伴うリスク、疾患そのもののリスク、患者のコンディションに由来するリスク、無治療で経過観察するリスク等、多くのリスクの組み合わせ、取捨選択が必要であり、単なる製品開発というよりも、治療戦略をデザインする意識が必要です。

③夢の技術のように紹介されることが多く、期待と現実のギャップが大きい

再生医療がマスメディアに取り上げられる際には、夢の技術で、あたかも難病がすぐに治癒するような論調で報道されることがあり、患者さんが過度の期待を持って受診される場合があります。このような場合、実際の再生医療の実態を理解するにつれ、失望感も大きくなりがちです。②及び③のような問題を解消するために日本再生医療学会では、多くの取り組みをされています。

④安全性に関して、医薬品のような、「化学物質の毒性」とは考え方が根本的に異なる

理論的には、再生医療は健全な細胞や組織を移植する治療ですので、いわゆる「毒性」はないはずです。再生医療の安全性情報は、品質情報との関連性が強く、無菌性、製造工程由来不純物、細胞デブリ等が品質情報であり、かつ、安全性を評価する情報にもなり得ます。例えば、目的細胞の純度情報が、未分化細胞の混入量を表現している場合は、造腫瘍性を推測するための重要な情報になり得ます。

⑤治験実施計画書作成には、製造についても知る必要がある

特に自家細胞を用いる場合に重要なのが、GMPにおける原料受け入れ規格です。例えば、原料細胞の受け入れ規格として肝炎ウイルスフリーであることが求められている場合には、実施計画書の除外基準で肝炎ウイルスキャリアを除外する必要があります。この場合は、単に既往歴として肝炎患者を除外するのではなく、ウイルス検査を実施し、陰性であることを確認しなければなりません。さらに、ウイルスのウインドウ期を理解したスクリーニング検査の設定が必要になります。このように、医薬品治験では意識する必要がないような要素にも気を配る必要があります。

⑥治験製品の保存と配送

生きた細胞の有効期間は短く、また保存条件も厳格に定められています。そのため、全国配送可能な体制を構築することも容易ではありません。シーズのオーナーであるアカデミアでは、自前で製造し、臨床研究に供する場合が多いので、開発ステージ後期になって、保存と配送の問題に気付くことがあります。再生医療においては、開発早期からすべてのステークホルダーを集め、開発を進める必要があります。

今後のインテリムの取り組み

インテリムは再生医療のスペシャリストとして、今後も様々な課題に取り組み最先端の知識、技術を取り入れ、医薬の発展につとめ続けます。

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