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TOP対談 「AI×創薬」

平成28年11月17日より、株式会社U‐NEXTマーケティングと協業し会話や言葉を高い精度で認識、分析する人工知能を活用した「AIコンシェルジュ」を用いたメディカルコールセンターの提供を開始しております。
協業に至った経緯と「創薬」における「AI]のこれからについて、Top対談いたしました。

株式会社U-NEXTマーケティング ~事業紹介~

■設立 2010年12月10日
■代表取締役社長 溝辺和広
■従業員数 450名(2018年2月28日現在、アルバイト・派遣スタッフ含む)
■事業ドメイン ・AIコンシェルジュ事業 ・コールセンター事業

今後の展開としてはAIコンシェルジュ事業を伸ばし、コールセンター事業においてもAIを用いることで人の関わり方を変えられるビジネスモデルの構築を考案。
さらには、AIと人の役割分担を明確化させ、それぞれの能力を最大に発揮することでAIビジネスの市場をどう変え、どのように市場を席捲していくか?という観点から、各業界においても成功事例をつくることに注力。

出会いから協業まで

溝辺: 出会いは3年前の同年代が集まる経営者交流会でしたね。
その交流会には創薬業界の方がいなかったため、浮田社長は目立っていた記憶があります。

浮田: 交流会には延べ300名くらいましたが、同業界の方がいなかったため確かに目立っていたかもしれないですね。私自身も実は協業などを目的として参加してはいませんでしたね。

溝辺: そうですね。参加者は事業としてもある程度軌道に乗っている経営者の方が多く、浮田社長には「これからやるぞ!」というような勢いを感じました。

浮田: 改めて互いの事業についての話をしたのは、2年前の夏でしたね。出会ってから1年後の会合で偶然隣の席に座った時、タイミングとしても、丁度AIコンシェルジュがニュースリリースされる時期だったと記憶しています。

溝辺: そうですね。それまで浮田社長の印象は、正直「怖い」というのもあって(笑) 業種や業界もそうですが、自分自身と性格やタイプも違う浮田社長から事業のお話を伺ってすぐ、私の信条である絶対に相手を裏切らない、誠実に成し遂げるという思いだけで、「何か、ご一緒できないですか?」と熱意を伝えました。

浮田: 私自身もU-NEXTマーケティングの事業内容についてお聞きした際に、AIコンシェルジュを用いれば、現在あるコールセンタービジネスに勝負ができると考えました。
そして、最終的に協業を決定したのは、沖縄(宜野湾)で飲んだ時でしたよね?(笑)

溝辺: 「本気で事業を考えるのであれば協業しましょう!」と最終的に言ってくださった。
創薬業界への進出は、想像すらしたことがなく、異業種中の異業種であったため、業界のお話を伺って、強い興味が湧き、学びたいと思い、また自社にとっても有益であると考えました。
想像すらしたことがない世界が、一言で形になっていくということと、浮田社長からの「本気なら任せてください。」との言葉にとても感動しました。

浮田: 今の創薬業界のコールセンター事業は、ある企業が市場のほとんどを占めています。また、過去にはコールセンター業界から新規参入して失敗し、撤退した企業もあり、創薬分野でのコールセンタービジネスのプレーヤーは限定されていました。そのため新規参入もないので、価格競争やイノベーションが起きない状況が続いていました。
でもそこに「U-NEXTマーケティングのAIコンシェルジュ」と「インテリムの医薬品開発」を掛け合わせることによって、これから人口が減り、後10年でAIに切り替わると言われているコールセンタービジネスをICTに置き換えることによって、また付加価値をつけることでイノベーションを起こしたいと考えました。
創薬業界は進んでいるようで、ICT分野については進んでおらず、まだどこもAIを使ったサービスに参入していないこの時期に、「まずはフラグを立てる。」ということを短期間で、ある程度まで準備していこうと協業に至りましたね。

スピーディーな意思決定

浮田: 溝辺社長と出会うまではAI medical contact center を立ち上げる構想は持っていませんでしたが、溝辺社長と出会い、『AIコールセンターリリース』の話とともに実際の事業内容を伺ったとき、デジタル化やAIの活用が遅れている創薬業界でのビジネスチャンスを感じ、その瞬間にこのビジネスを立ち上げようと思いつきました。

溝辺: そうですね。「自分ではやらないけど、どこかと組んでやるぞ!」とすでに構想ができていたのではないかと思うほど反応が早く、普通の会話の中でポン!と「こういう構想で進めよう。」という案をいただきました。

浮田: 創薬業界で、一番狙いやすいポイントはAIコールセンターだと思いましたね。第4次産業革命として全ての産業において、AIの導入が進んでいる現在、「どのようにして、AI導入により業務の効率化を実現させるか?」ということが議題になっています。
医療業界でも、AIを使った画像診断などで、患者様の延命率を高められる可能性が検討されている事例からも、「人間の限界を超えていくこと」と「作業効率の向上」がAIに期待されていると考えています。実際、創薬現場では化合物のスクリーニング化にAIを導入することで時間短縮の実現はできていますが、AIの基幹システムは、何をもってディファクトスタンダードなのかはまだ世界中のどこにも無いと考えています。これについて、これから3年間くらい模索しながら進めていきたいですね。

溝辺: そうですね。今のAIは音声認識や音声合成という一部のインターフェースを担っていますが、これをCRMや各種データーベースやディープラーニングの世界と組み合わせてどうするか?ということを考えています。
システムのインターフェースをU-NEXTマーケティングが担い、インテリムがディープラーニング部分を担うことでプラットフォームを一緒に作っていきたいと思います。

それぞれの業界からの反応

浮田: 反応は非常に良かったですね。我々の創薬業界は可能なコスト削減をし、主軸ビジネスにいかに投資するかということが重要であるため、AI導入によるコストメリットへの期待もあり、興味は持ってもらえています。ただ、AIに対する明確な理解が浸透していない中で、過大に期待されている部分も多いと考えています。AIに対する期待に応えるためには、ディープラーニングが重要な時期であり、今は技術への誤解を解くことと、依頼者に現状理解を深めていただくための啓蒙活動をしていかないといけないタイミングであると考えています。単純なコストカットだけではなく、創薬に関するビックデータをどのように学習させ、それを持っていかに効率化を図っていくかという、AIが生まれてきた本来の目的を理解していただくことをビジネスモデルに生かしていきたいと考えています。

溝辺: 創薬業界への参入、協業を発表したことでコンペティターからの問い合わせが増えました。創薬業界との協業が安心感や信頼に繋がったからだと考えます。AIコンシェルジュをスタートした時は、同様のビジネスモデルは他にありませんでした。慎重に導入を検討する、大手企業の参入についても厳しい状況ではありましたが、協業を発表した直後に大手メーカーも同じようなサービスの展開を発表するなど、大手企業への影響もみられました。他社の動きと比べても、我々の判断は1年半くらい早かったと考えています。我々の協業のニュースは、今後他のシステム企業も他業界との協業を加速化させるビジネスモデルとなったのではないかと考えています。

浮田: 今後の展望としては、アカデミアでの展開が早いと考えていますので、まずはアカデミアで実績を積みつつ、その実績をもとに製薬メーカーの利用にも広げていきたいと考えています。それらのケーススタディをソリューションとして蓄積したいと考えています。そしてゆくゆくは、国内のAIコールセンターのシェアを1番で取りたいと考えています。

溝辺: 一つひとつの依頼を形にして、信頼を勝ち得ることにより「業界シェアNo.1」に一歩ずつ近づくと考えています。まずは、そこに注力していきたいです。

「AIコンシェルジュ」を用いたメディカルコールセンターのイメージ図

▼株式会社U-NEXTマーケティング様の「AIコンシェルジュ」概要
http://unext-marketing.jp/ai/


【関連記事】
「AIコンシェルジュ」を用いたメディカルコールセンターの提供(2016年11月17日/PDF)

国立大学法人筑波大学様による検討・研究結果の日本臨床試験学会 第9回学術集会総会での発表(2018年2月19日/PDF)


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社インテリム http://www.intellim.co.jp/
E-mail:Ai_Medical@intellim.co.jp (担当:内山・菅井・鳥光)
TEL:03-5688-7230


2018年4月10日