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PL(プロジェクトリーダー)のお仕事

担当する治験が上手く推進されるように、プロジェクト全体を俯瞰しながら、メンバーをサポートし、またチームをリードするPL(プロジェクトリーダー)という役割。多くのモニターがこのPLを目指して、日々業務に従事しています。
それでは実際、PLの方々はどのような使命を持ちながら、普段どのような業務をこなしているのでしょうか。
今回は、東京オフィスと韓国のソウルオフィスで働く2人の日本人PLの仕事をご紹介します。

1) T.F氏(PL)東京オフィス勤務 2) T.E氏(PL、アジア担当部長)ソウルオフィス勤務

1) T.F氏(PL - オンコロジー担当)東京オフィス勤務

出身国日本
勤務国日本(東京)
臨床開発経験年数11年
前職他社CRO
特技料理
休日の過ごし方朝から子供と愛犬の散歩、その後、妻と子供といろいろなところにお出かけします。

日々のスケジュール

時間スケジュール
5:30起床。愛犬の世話
6:00朝食
7:00娘(2歳)と一緒に保育園へ
8:00出社。メールのチェックなど
9:00チームメンバーと打ち合わせ
10:00会議(東京と大阪をテレビ会議システムでつなぎ会議をします)
12:30チームメンバーとランチ
13:30クライアントとの打ち合わせやチームメンバーのフォロー
16:00オンコロジースペシャリスト継続研修
18:00退社
18:30帰宅、妻と夕食の準備
19:30娘とお風呂
20:30娘の寝かしつけ
21:00妻と雑談、趣味の時間
23:00就寝

娘と愛犬の散歩。至福の時間です。

自分自身がCRA(臨床開発モニター)だったころは、出張の予定を比較的自由に組むことができましたが、PLはチームメンバーのアポイントに同行することが多いため、チームメンバーのスケジュールを把握しておくことが重要です。

臨床開発の仕事に就こうと思ったきっかけを教えてください。

大学時代、薬学部で勉強する中で、世の中にくすりを届ける場に近いところで仕事をしたいという気持ちが芽生え、新薬の開発に携わりたいと考えるようになりました。

以前、希少疾病の治療を担当した際に、新薬開発の必要性、重要性を再認識しました。その後は、新しい治療薬を待ちわびているがん患者の方々に一日でも早く新薬を届けたいと思い、現在は抗がん剤の開発に携わっています。

オンコロジー領域の知識向上に対して、行っていることがあれば教えて下さい。

社内のオンコロジースペシャリスト研修*で、基本的なオンコロジー知識を学びました。現在も、オンコロジースペシャリスト継続研修や、学会参加を通じ、最新の治療法について日々、勉強を続けています。

オンコロジースペシャリスト研修*=インテリム独自のオンコロジー研修です。
詳細は以下をご覧ください。
https://www.intellim.co.jp/service/training_oncology.html

チームをリードする上で、工夫されていることや、心がけていることがあれば教えてください。

プロジェクトの主役はあくまでも、CRA(臨床開発モニター)であると考えています。そしてPL(プロジェクトリーダー)の役割は、チームメンバーであるCRAが円滑に仕事をできるようにサポートすることです。
またPLには、クライアント側の感覚と、現場の感覚、その両方を持ってプロジェクトを推進することが重要です。
クライアントのニーズに応えながら、現場のことも理解する。そのバランス感覚がプロジェクトを成功に導く鍵だと考えています。

現在の仕事の中でやりがいと、困難だと感じていることをそれぞれ教えてください。
困難なことに対しては、それにどう対処しているかも教えてください。

CRAの時は、医療機関に足を運び、ドクターやCRC(治験コーディネーター)と協力して治験を推進することに遣り甲斐を感じていました。
今はPLとして、クライアントと連携を図りながら、新薬を一日でも早く、患者様の元に届けられるようプロジェクトを成功させることにやりがいと、使命を感じています。
まだPL経験が浅いため、困難に感じることは沢山ありますが、判断に迷ったときには、上司や他のPL、またクライアントに相談し、対応しています。

PLを目指している方に、どのようなスキルを磨き、心構えを持つべきか、アドバイスがあればお願いします。

PLの仕事は、CRAの仕事とはまた違ったやりがいがあります。
PLの主な仕事は、CRAのサポートと、方針の決定です。なんでもクライアントに相談するのではなく、我々CRO(受託臨床試験機関)で判断、決定できることは、責任をもって行うこと。またクライアントに対して、様々な提案ができることも必要だと思います。PLには、それらの役割をきちんと認識し、プロジェクトをリードすることが求められます。

最後に、仕事における今後の目標(ビジョン)を教えてください。

入社以来、CRAからPLと経験してきました。今後のビジョンとして多くの選択肢があり、迷うこともありますが、臨床開発でのマネジメントで更に経験を積んでいきたいと考えています。又、今後更に会社が成長していく中で、今まで経験したことがない仕事にチャレンジすることも興味があります。
会社の成長に合わせ、自分も成長できるように、チャレンジし続けたいです。

2) T.E氏(PL、アジア担当部長)韓国、ソウルオフィス勤務

出身国日本
勤務国韓国(ソウル)
臨床開発経験年数17年
前職他社CRO
特技料理
休日の過ごし方パンを焼いたり、コーヒーを焙煎したりして家でゆっくり過ごします。

日々のスケジュール

時間スケジュール
5:00起床
6:00教会で朝の礼拝
7:00帰宅 家事&食事準備
8:00朝食 家事
9:00出社 メールチェック
10:00社内で打ち合わせ
12:00新企画&戦略熟考、下調べ等
13:00日本本社と打ち合わせ
15:00海外顧客と電話会議
18:00財務状況確認
19:00メール対応
19:45帰宅
20:00夕食、身支度
21:00趣味の時間
24:00就寝

家庭を持ちながら仕事をしている社員もいるので、社内会議は17時までには終わるように調整しています。また自分を含め、社員全員が出来るだけ残業のないように、効率的な業務運営を心掛け、終業時刻後に残っている社員がいれば積極的にサポートをするようにしています。

臨床開発の仕事に就こうと思ったきっかけを教えてください。

自分の子供や孫にどんな仕事をしているのかと聞かれたときに、胸を張って誇れる話をしたいと思い、世界の人々に広く貢献できる臨床開発の仕事に就きました。

日本と韓国、臨床開発の進め方に違いはありますか?
あるとしたら、どのような違いがあるのかを教えてください。

K-GCP*はICH-GCP*とよく似ているので、基本的には日韓での臨床試験には違いはありません。ただ、臨床試験の環境の違いはいくつかあります。韓国では、医師やCRCの役割が明確で、それぞれが主体性を持って試験を進めます。そのため、CRAには日本以上にモニタリングの専門性と積極性が要求されます。また、海外の依頼者が実施する試験も多いため、母国語だけでなく、英語での臨床試験実施の機会も日本以上に多いです。

K-GCP*=韓国における医薬品の臨床試験の実施に関する基準
ICH-GCP*=医薬品の臨床試験の実施に関するグローバル基準

日本と韓国のCRA(臨床開発モニター)を比較して、求められる能力に違いはありますか?

韓国では日本以上に、グローバル試験の機会が多いため、ICH-GCPに対する理解やスポンサーとの英語のコミュニケーション能力が要求されます。

異文化の中で人財マネジメントを行う上で、心がけていることや、工夫されていることがあれば教えてください。

その1) 思い込みや主観を排除する

韓国は、日本と似て非なることが色々あります。日本で通用したやり方で韓国でも上手くいくとは限りません。思い込み、先入観や第一印象だけで判断するのではなく、事象をよく観察し、社員やチームメンバーの話を傾聴して行動することを心がけています。

その2) その国の人たちを大切に思う

組織としてガバナンスを構築していくためには、時として厳しい対応に迫られることもありますが、日本に住む家族や友人と同じように、韓国とそこに暮らす人々を常に大切に思い、尊重する気持ちを忘れてはいけないと日々思っています。

その3) 自分の思いを伝える

韓国は思ったことははっきり伝える文化の国です。傾聴し、尊重するだけではマネジメントはできませんので、伝えるべきことは、はっきりきっちりと伝えるようにしています。

突き詰めると、どの国も同じ人間なので、小手先のツールでその場を凌ぐことも出来ますが、やはり自分自身の器がマネジメントの要だと思います。たおやかで夢とエネルギーに溢れたリーダーでありたいですね。

現在の仕事の中でやりがいと、困難だと感じていることをそれぞれ教えてください。
困難なことに対しては、それにどう対処しているかも教えてください。

新しい可能性に挑戦できるのはインテリムの醍醐味であり、それをアジアで実現していくことが私のやり甲斐であり目標です。
アジアが持つ多様性と可能性は私の予想をはるかに超えていて、そういったことに直面する時が困難といえば困難でしょうか。
でも実は、そういうシーンでもワクワクしています。

PLを目指している方に、どのようなスキルを磨き、心構えを持つべきか、アドバイスがあればお願いします。

いろいろあるとは思いますが、一つだけ挙げるとすれば、目標達成の為にあらゆる方向からでもアプローチすることができる「引き出し」を持つということでしょうか。
プロジェクトは思ったようには前に進みません。手を変え品を変え、引き出しから様々な解決策を取り出し、道を切り開いていく必要があります。この引き出しは、先輩から学んだり、自分の過去の痛い経験から増やすことができると思います。これは臨床試験に限らずすべての仕事に共通することですよね。

最後に、仕事における今後の目標(ビジョン)を教えてください。

「日本発グローバルCRO」としてのインテリムのバリューをもっと高めて、アジアが一つになれるような仕事をしたいです。そして、冒頭に申し上げました通り、いつか孫やひ孫に「おばあちゃんはね、こんな仕事をしたんだよ」と胸を張って語れるようになりたいです。

2016年10月7日